収集癖というもの 茶碗編
*** 前回から続く ***
旅行の企画を仕事にしていたおかげで、陶磁器の産地を訪ねる機会に恵まれていた。最初はあまり興味がなかったが、20歳代半ばの頃、備前焼の窯元を訪ねたとき、素朴な美しさに心惹かれてしまった。
その時買ったのが、写真の抹茶茶碗。
私は、抹茶は好きだが、茶道のたしなみはない。大皿、壷、徳利、ぐい呑み、コーヒーカップなどいろんな焼き物がある中、なぜ抹茶茶碗かというと、美しさと実用性のバランスがいいと感じたから。格好良く言うと、「用と美を兼ね備えた」ということか。以来、陶磁器の窯元に行くたび、気に入った茶碗があれば買って帰るようになった。
しかし、所詮はしがないサラリーマン、予算に限りがある。1品の上限は2万円までと決めた。実際には5千円でも気に入ったものがあったり、2万円でも気に入ったものがなく、買わなかったりで、平均購入価格は1万5千円くらいだろうか。
最初の頃は、買って帰ると箱から出して眺めたり使ったりしていたが、飾るケースがない事もあって、そのうち買って帰っても箱に入れたまま積んでおくだけになった。それでも窯元に行けば物色し、気に入れば買って帰る。いつのまにか収集が目的化してしまった。
先日、久しぶりに抹茶茶碗を出してみることにした。なにしろ、全部で何客あるのかも、どこの窯元のものがあるのかもわからない。買ったまま包装紙を剥がしてないものもある。中には、買った記憶がないのに何故かあるもの、逆に、買った記憶があるのにどこに収めたのか見つからないものもあったが、あるものはすべて箱から出し、廊下に並べてみたら20客あった。
作家ものや、銘のないものが混在しているので、調べたり、写真を撮りながら一覧表を作成するのに半日を要したが、整理できて一安心。
地域別に挙げると、薩摩焼、小田志焼、小石原焼、伊万里焼、唐津焼、砥部焼、萩焼、雪月焼、備前焼、丹後焼、伊勢焼、九谷焼、常滑焼。これ以外に信楽焼や有田焼なども家宅捜索をすれば出てくると思われる。
作法は知らないが、天気の良い日に野立したら気持ちいいだろうな。
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